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白14手目の善悪が分かればあなたはきっと”強い”プレイヤー
Kramnik, Vladimir (2792) Karjakin, Sergey (2782)
最近はGCT グランドチェスツアーが開催されていてプロチェス界隈は白熱していましたね。
アメリカ勢強すぎですね〜パリスGCTではヒカルナカムラが優勝、ユアネクストムーブではウェスリーが優勝。
それに加えて、今年のチャンピオン挑戦者カルアナ、その三人を抑えUSチャンピオンとなったシャンクスランド。
オリンピアードではどういうメンバーになるのやら・・といったところですね。

最近プラグナハンダ(?)君がカリヤキンに続く歴代二位最年少GM記録達成ですね。
遅咲のプレイヤーも稀にいますが、チャンピオンクラスは幼いころから才覚を表しているものがほとんど。
未来のチェスチャンピオンとして期待大といったところです。

今回紹介する棋譜はクラムニクvsカリヤキン gctラピッドの試合です。
昔のチェスチャンピオンと前回のチェスチャンピオン挑戦者なので棋譜としては最高級品でしょう。
序盤のわずかなミスから、戦略的な悪手を指してしまい、ずるずると劣勢に。
最後は華々しい攻めによって終局を迎えるという、教育用の棋譜として典型的だと私は考えています。
戦略面・戦術面において学ぶことが多い棋譜なのでぜひ見てください。

ぶっちゃけ解説なんて読まなくていいです。この手の意味が分からん・・・ってなったときに読んでください。

5...Nxd5
スペースアド厨の私からすればすでに黒を持ちたいですね。
白は窮屈そうなのに対して、黒の二つのビショップは活き活きとしています。

9...a5
よく見る一手です。白のb4を防いでいます。
相手がaポーンを一マス突いてきたら、こっちは二マス突きかえすのは大体好手のイメージです。

11...Nxc3
なぜこのタイミングでnxc3を入れたかは本人に聞くしかありませんが、
私が思うに”黒はやりたい手を大体指した”と”bxc3がない”の二点だと考えています。

12.Rxc3!?
ビショップでとるのが普通だと思います。
狙いとしては、Rxc6?からNxe5の乱戦狙い、Rfc1を早く実現するための一手と考えられます。

13.Qa4!?
かなり怪しい一手ですね。
クイーンサイドのポーンをクイーンで攻撃する狙い、次にRfc1と動かしてQd1と再度格納する狙いがあります。

13...Nb4!
戦術的にこのナイトは取れません。14.axb4 axb4 15.(b4ポーンはビショップで守られているため)Qd1 bxc3となりこのナイトは守られます。
14.Rfc1 Na2!があるため、fファイルにいるRも動かしづらい。
14.Qd1は手損を認めますし、黒番はナイトをd5やa6に持ってくることができて大満足ですね。

14.e4?
私が思う一番の戦略的な悪手がここですね。
一度傷ができるとそこからどんどん広がるので最初の悪手が重要だと思います。
あきらかに黒のNd5を防いだ手ですが、それ以上にポーンストラクチャーが悪型ですね。
白はd3にバックワードポーンと呼ばれる弱いポーンを作り、d4にホールを作ってしまいました。

14...c5!
この一手で黒は静的な優勢を得られます。この一手で黒はd5にホールができるのですが白との差に注目です。
黒はb4-c6-d4とすぐにナイトを動かしてホールを活用できるのに対して、白はf3-e1-c2-e3-d5と歪で手数の長いマヌーバリングが必要。
可能だったとしても、黒はBxd5と危険なナイトをすぐに除去できます。

19...Bg8!
またはBf7ですね。ここで重要なのはビショップを交換しないこと。黒はスペースアドを持っていて、おまけにグッドビショップ。
交換するメリットは皆無ですね。

20.Bd6!
ここからの構想がいいですね。黒の駒を見てみると最適な場所にいない駒がいくつかあります。
ずばり黒マスビショップ a8ルーク ついでにQです。
もちろんQは今b6ポーンを守る重要な役割を持っていますが、
彼女の力でポーン一個を守るのはあまりにももったいない。
b6ポーンを守る役は黒マスビショップに任せて、d8スクエアはa8ルークのために譲ってあげましょう。

24.h4
白は苦しいのでキングサイドアタックで誤魔化しにきたのでしょう。
実戦的で良い手だと思いますが、最善手ではないです。

24...Bb8! 最初に思い描いてたプランをわずかに変更させたように感じます。
これまでは黒のバッドビショップと白のグッドナイトの交換で応じていましたが、白がh4と突いたなら話は別。
カウンターを食らわせてやろうという意気込みを感じます。

28...Nxf5
ここで白はこの強力なナイトをBxf5とできないのが問題。
普通はこの位置にいるナイトとビショップの交換は行うのですが、
白のキングサイドのポーンは黒マスに属しており、白マスからの攻撃を受けることができません。
とにかくフィアンケット型とその派生において、g2ビショップは守りの要なので大切にしてください。

35...Qg6!!
この一手を逃せばあっという間に勝利は遠のいてしまうかもしれません。
自然で害のなさそうな35...Rg1??では 36.Bf3!でもう1ラウンドという形になります。
フィアンケット型のビショップとルークの交換は常に頭の中に入れておきましょう。

37...Rh4!
すべての黒駒が理想的な配置にいますね。b8Bはe5ポーンを守る重要な役割を持っています。
白のc3Rは何をやっているのかわからない、f8ビショップはほぼトラップ状態といいとこなしですね。


42...Kg8!
取っても完勝ですが、明確なメイトが見えているのに長引かせるのは相手にとっても酷でしょう・・実にクールな一手です。
1. c4 Nf6 2. Nc3 e5 ... 閲覧数: 50 18年06月30日